いよいよラスト2回になってまいりました。いままで厳選した漆の知識をご紹介してきましたが、少しでも「なるほど」という気持ちを持っていただけたでしょうか?ラストスパートである本日は、プロの方と一緒に漆に実際に触れあえる、つまり体験教室をご紹介したいと思います!

こうして記事を書いている身で申し上げるのも恐縮ですが、やはり実際に自分で漆を触ってプロの方から直接お話を聞ける環境というのは、学ぶうえで大切にしていきたいものですよね。

ということで、ここからは都内でも体験できる教室をご紹介します。・・・というのも、実は筆者が都内に在住しており、工芸品と縁遠い環境であることから、どうしても都内で漆器を購入できる場所や体験できる場所を求めて紹介してしまっている節もわずかながら存在してしまいます。

なので、都内の方は自分もここでなら体験できる!という同じ目線で、その他の地域の方々は何卒、漆器のごとく優しく温かくお見守りください。

まずご紹介したい体験教室は、小島ゆりさんが開催する漆塗り教室です。小島ゆりさんは島根県松江市にお生まれの松江藩御抱え塗師の蒔絵師十二代目 漆壺斎継承者です。父である十一代目から教えを受けながらも東京大学で美術史を学び、東京芸術大学の聴講生としても日々邁進してまいりました。

小島ゆりさんは「漆文化再構築業」というものを進行しており、「作る人を増やす・買う人を増やす・関わる人を増やす」という事業戦略の元で漆産業に関わっており、体験教室のコンセプトは「うるしの初めの一歩を応援する」というものになっています。これから漆に関わりたい人にとって、またとない環境ですね。

彼女は「初心者向けうるし塗り教室」というものを開いており、東急都立大学駅前やJR大森駅など様々な場所で「拭き漆」「金継ぎ」「螺鈿」「蒔絵」「刷毛塗り」の教室を4~10回の受講回数で開催しております。

中でもオススメしたいのは「1日うるし塗りワークショップ」というものです。教室体験というのはなかなか何回も受講しないといけないと思うと気が重くなってしまうものですよね。

ですが、この「1日うるし塗りワークショップ」では1日3,500円ほどで気軽に参加できるので、とりあえず体験してみたい!とお考えの方はこのワークショップはとてもオススメできます!

そしてもう一軒紹介したい教室は、「播与漆工芸教室」です。こちらは月に決められた回数の参加になる教室ですが月に3回の教室なので、そこまで気後れしない習い事になると思われます。

複数の講師陣で運営される教室なのですが、その多くが東京藝術大学の学部卒や院卒生で構成されており、蒔絵担当、金継ぎ担当などの専門性に富んだ先生から、漆全般に対応してくれる先生など、様々なプロたちと触れ合えるのが魅力的です。

生徒の作品を見てもわかるように、「カリキュラムはありません」という事がこれから参加しようとしている生徒に非常に優しい教室なのだということを教えてくれます。漆の本格的な技術が学びたい方から、何か趣味を見つけたくて迷っている人まで、一度この教室の門を叩いてみるのはいかがでしょうか?

本日は2軒の教室を紹介させていただきました。どちらにも共通することですが、漆工芸の教室に参加してみたいと思われたのならば「まずは相談してみる」というのはいかがでしょうか?漆に触れる前に、まずは人と人とのふれあいに積極的になってみましょう。