漆に新たな活用法を見出しましょう。実は食べてもおいしいんです!

前回は一度基本的なことに立ち返って漆の魅力・メリットについてご紹介させていただきました。本日も少し復習的な側面を持ちつつ、ご紹介したいのは「漆の活用方法について」のお話しでございます。皆様はいくつの活用法をご存知でしょうか?さっそくいってみましょう!

漆は塗料になる!・・・というのは今までさんざんやってきましたし、漆器のことをご存知の皆様に今更申し上げる話でもありませんね。ちなみに、塗料としての漆は椀や橋、盆だけでなく、楽器の塗装にも使われます。

オカリナからエレキギター、太鼓まで様々な木製楽器の最後の仕上げとして漆が用いられています。「拭き漆」や「摺り漆」をすることによって、塗膜が薄く仕上がり、音の響きが格段に良くなるそうです。

厚く塗ることで耐久・耐熱性が上がって喜ばれる漆器と、漆を薄く塗ることでより良い音が鳴らせると好まれる楽器。同じ器なのに塗料としてまったく別の側面を持ち合わせるなんて、とても面白いですね!

そして漆は塗料としてだけではなく、接着剤としても活用されます。沈金の説明の時にも少し触れましたね。沈金は、沈金ノミという道具で器の表面に模様を彫っていき、その後に蒔く金粉を接着させるために漆を流し込む、という形で漆を接着剤として活用しました。

漆職人の方によると、しばしば「漆をはじめに見つけたのは、人間ではなく蜂だ」という話を聞きます。蜂の巣と言えば小さな蜂の割にかなり大きな巣を作りますよね。その中に蜂が暮らすわけなのですが、いくら小さいとはいえ相当な重さになることでしょう。

その蜂の巣の根本の黒い部分(木と蜂の巣を繋げる部分)に漆を用いることで、重い巣と木や軒下などの土台を強力に接着するのです。蜂は私たちより早くに漆の魅力に気づいていたのですね。

実は塗料としての漆、接着剤としての漆の他にも漆の活用法があるのですが、ご存知でしょうか?それは食べることができる、つまり食事に活用できるということです!それは漆職人がかぶれに対する耐性をつけるために漆の新芽を食べ始めたことから始まります。

漆の新芽はえぐみが少ないので、味噌汁やてんぷらで食べるとタラの芽に似ているそうで、おいしいとのことです。ですが人によっては舌がピリピリしたなどの報告もあるので、漆にかぶれたことのある人や、少しでも心配のある方は控えたほうがよさそうです。

更に、漆の実は食用だけでなく、かつては蝋燭の制作にも使われたそうなのです。漆の実には蝋分という蝋燭に必要な成分を含まれており、それを絞り出すことで蝋燭や鬢付け油を作ることができるのです。

鬢付け油はあまり聞き覚えのない言葉かもしれませんが、髪を結う際に用いるいわば整髪料であり、漆は漆器の見た目だけでなく我々の見た目を整えるためにも一役買ってくれていたわけですね!

こうしてみると、漆には塗るだけじゃなくさまざまな使用方法がありました。中でもてんぷらやお味噌汁にして食べられること、蝋燭や鬢付け油が作れることなんかは私も知らなかったのでとても驚きました。

調理できるということは、漆器に盛り付けた漆が食べられるという事で少し不思議な感じがしますが、漆のおいしい調理方法が出てくるのが楽しみですね。

また、今回のお話をするうえで「漆は食べたりしてかぶれは大丈夫なの?」と少し思ったりしました。それにしても、少し不思議ではありませんか?漆はよくかぶれると言いますが、なぜかぶれるのでしょうか?・・・また漆についての新しい発見が生まれそうな予感を残しながら、今回はここら辺でおしまいです!