さらに奥深い漆器の世界、数えれど語れる量の漆器の流派

さて今回も日本に存在する流派のご紹介です。実は本当に漆の流派は数多く存在し、日本4大漆器に絞ってご紹介したものの、もう少し紹介させていただきたい思いもあり、日本4大漆器番外編として枠を取らせていただきました。

番外編で紹介させていただく漆器は5種類です。その5種類は「浄法寺漆」「琉球漆器」「津軽漆器」「八雲漆器」「飛騨春慶」となっております。それぞれ短くまとめさせていただいたので、さっそく見ていきましょう!

「浄法寺漆(じょうぼうじうるし)」・・・岩手県二戸市が産地の漆器でございます。始まりの時期が定かでないのですが、728年に、中央から派遣された僧侶が日常生活の為の器を作るために漆の技術が伝えられたことから始まるといわれています。

その特徴は、単色で無地の黒漆、もしくは朱漆で作られた非常にシンプルな漆器であることがほとんどです。シンプルなだけに飽きが来ず、また最高級の漆を直接味わえる奥深い漆器です。

「琉球漆器(りゅうきゅうしっき)」・・・その名の通り、沖縄県に伝わる工芸品です。沖縄には琉球ガラスや琉球畳などたくさんの産業が存在しますが、琉球漆器も1986年には経済産業大臣指定伝統工芸品として認められたほど、格のある工芸品です。

琉球漆器と言えば何と言っても「堆錦(ついきん)」です!これは「螺鈿」や「沈金」といったような加飾方法であり、中国からヒントを得た琉球漆器独自の加飾方法と言えます。ほかの漆器には中々見られない壮大な龍の加飾はみどころです!

「津軽漆器(つがるしっき)」・・・津軽弁でも有名ですね、津軽漆器は青森県発祥の漆器です。実は青森県で唯一の経済産業大臣指定伝統工芸品となるので、非常に大切にされているのだとか。

「研ぎ出し変わり塗」という耳馴染みのない技法は津軽漆器ならでは。幾重にも塗り重ねた漆を研ぎ出してはまた塗る、というのを数十回繰り返したのちに表れる複雑かつ美しい漆模様は見る者を引き付ける美しさです!

「八雲塗(やくもぬり)」・・・八雲塗とは、島根県松江市で作られる漆器のことです。職を失ったかご塗職人一家が、職を失ったことをきっかけに中国の存星塗(ぞんぜいぬり)をまねて作った盆の趣を買われ、「八雲塗」として成長しました。

私のお気に入りの八雲塗漆器は「八雲白檀 琥珀」という漆器です。木地に張り重ねた金箔の上から、半透明の木地呂漆(きじろうるし)で塗り上げたものです。使用するにつれ、木地呂漆の琥珀色と、下に敷き詰めた金箔が程よい色合いになり、非常に美しい漆器になります。ぜひ八雲塗漆器にワインを注ぎたいですね。

「飛騨春慶(ひだしゅんけい)」・・・飛騨春慶は岐阜県の飛騨高山地方で制作される漆製品です。軽くて木目が美しく、アクセサリーやカードケースなどお土産として向いている漆器製品です。

また、飛騨春慶には漆製品に使い方を求めないというコンセプトがあります。漆製品というと、少し固いイメージをもたれてしまうことがありますが、そのようなことは無く、あえてルールを設けないと明言することで、漆の可能性を伸ばしている。そんな漆製品です!

今回は5種類の漆を紹介させていただきました。ほかにも紹介したい漆器の流派はたくさんあるのですが、自分で漆器を調べる楽しみもあると思うので、番外編もこの辺でお開きにしましょう。

しかし漆というものはとても目に優しい美しさですよね。そんな漆には美しさしか魅力がないのでしょうか・・・。もちろん、そんなことありませんよね!次回はあらためて漆の魅力を振り返ってみましょう!