漆にかぶれは付物なのか、漆の気になるデメリットを解析!

これまでたくさんの漆器や漆製品の魅力についてご紹介させていただきました。やっぱり漆器のある生活というのは人の心までも豊かにすると思います。ですがお目が高い皆様のことですから、漆には「かぶれ」というデメリットの面で問題が存在することを十分理解されていると思います。

「かぶれ」というものはそもそもなんなのでしょうか。簡単に言うとアレルギー反応のようなものです。「かぶれ」は漆に含まれるウルシオールという物質が、皮膚に触れることで体内に侵入し、発生する症状です。

体内に侵入したウルシオールはタンパク質の結合を断ち切る悪さをするので、追い出さなくてはいけません。追い出すために体内の免疫が過剰に頑張ってしまい、結果「かぶれ」という症状として肌に皮膚炎が現れてしまうのです。

初めて漆に触る人はほぼ確実にかぶれるといわれますが、漆の「かぶれ」の症状は人それぞれで一概には申し上げられません。初めはウルシオールの侵入箇所のみの症状で、最悪の場合全身かぶれてしまうこともあるそうです。

このように「かぶれ」てしまうと非常に恐ろしい漆ですが、ほとんどの場合心配することはありません。というのも、この症状は生の漆に触れる機会がある方に通ずる話であって、完全に固化した漆器の完成品に触れたところでかぶれる可能性はまずないからです。

世の中に言われている漆のかぶれ問題は、ほとんどが生の漆を触る職人さんや、登山家などのウルシノキの生息地に足を踏み入れることのある方々側の問題であり、皆様が心配することはないでしょう。

ただし、作品に漆を取り入れたい美大生や自分で楽器や器に再塗装をするために生の漆を使う必要がある人は、上記のかぶれについて少し頭に入れておいて下さい。かぶれてから皮膚科に駆け込んでも、症状を抑える薬は今のところ存在しないそうなので。

それでも漆を使いたい方には、現在では「かぶれにくい漆」というものが市販されているそうなので、もしも生の漆で工作をしたい方がいらっしゃるのならば、こちらの購入をオススメいたします。

「かぶれにくい漆」の詳しい原理についてはわかりませんが、こちらの漆はたんぱく加水分解物が添加されているという事で、私の考えでは「かぶれにくい漆」は先ほど申し上げたウルシオールが体内に入り分解すべきタンパク質を先に添加することで、体内で悪さする力を削いでいるのかな、などと考えます。

いずれにせよかぶれる心配が拭えないうちは生の漆を扱うことは避けたほうがよさそうです。職人さんは漆に耐性を付けるために生の漆をなめたりするそうですが、これは重度のかぶれを引き起こすことで耐性を付ける荒療治だそうなので、決して真似はなさらないようお願いいたします。

ここでひとつ、漆についての豆知識を少しご教授いたします。実は漆を扱う上で気を付けなければいけないことがあります。・・・それは紫外線に気を付けて取り扱わなければいけないということです!直射日光のあたる場所で放置しすぎると耐久性・耐熱性などに問題が出てきて、塗り直しをしなくてはいけなくなってしまいます。

生の漆は市販されているだけに、かぶれのことを知らなければ塗り直そうとして自分で生の漆を触ってしまうとこでしたね!なので、塗り直しを防ぐためにも保存・使用の際には直射日光を避け、紫外線から守ってあげるようにしてください!

以上、今回は漆のかぶれについてご紹介させていただきました。最後にもう一度だけ「製品としての漆器ならばまずかぶれません」という事を添えて終わらせていただきます。